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臨床研の役割
 臨床研は、がん・感染症をはじめとする様々な重篤疾病の発症機構を解明し、 それらの予防・治療に貢献するための研究所として約30年前に設立されたのち、平成11 年、ほぼ同時期に設置された神経研・精神研と共に東京都医学研究機構 へ統合され今日に至っています。

 生命医科学のための研究所は、世界最大級レベルの人口を抱えた大都市・東京において都民の健康を守る上で不可欠であります。 医師は医療を通じて、「現在の健康を守る」ために多大な貢献を果たしています。一方、生命科学者は研究することにより病気の原因や予防の方法を探り、 「未来の健康を守る」という重大な使命をもっています。

 人類の歴史は、医学的見地に立てば、病気との闘いの歴史でもありました。ほんの数百年前に比較しますと、 人間の寿命はほぼ倍増しました。その大きな要因として食糧・栄養事情が豊かになったことも事実ではありますが、なによりも重要なことは病気による死亡率が 激減したことにあります。一方、高齢化社会を迎えようとしている21世紀の今日、高齢者の疾病が急増しています。病気で苦しんで長寿命を獲得して もそれは悲劇の誕生でしかありません。健康的に長生きできる社会の構築こそが焦眉の急であり、そのためには病気の発症原因を突き止め予防治療に 役立てることが必須であります。

 過去から現在へ、科学は常に新興の感染症や原因不明の難病に立ち向かってきましたし、未来においてもその制圧に 万全の態勢で臨まねばなりません。そのためには、基礎研究の持続的な発展がなによりも大切です。現在の生命科学は、ゲノム解読に象徴されるように 人類がかつて経験したことがないスピードで進展しつつあります。

 世界最高レベルの研究所である臨床研は、生命の謎に鋭く迫ることによって、 病気の根本原因を解明し、都民の健康を守るための研究を日々続けていきます。     
田中啓二所長代行
所長代行 田中 啓二
田中啓二サイン